ブログ記事もお仕事エッセイも、印象的な書き出しには悩むものです。しかしあら不思議。一旦最後まで書いてから、「まとめ」を締めと頭にくっつけると、意外と簡単に全体が整いますよ。お試しください。
文章の頭で、読みつづけるかどうかが決まる
文章の冒頭部分は大事です。最初の3行を読んだとき、「このあとが気になるな。このまま読みすすめよう」と思ってもらう必要があります。
出だしの一言から、するすると自然に書き出したい。
あるいは、ちょっと意外な一文から、読者の気持ちをつかみたい。
そんな色気を、書き手なら持っているでしょう。
ところが、自分のスタイルがある程度固まるまでは、この導入部分が難しかったりします。出だしが決まらないと、あとが続かない。かといって、凡庸な出だしから工夫せずそのまま書き続けると、どうも子供の作文みたいになってしまう。あれこれ考えて、書きはじめられない。
あるいは、「私は別に迷ったりしないわ」と、深く考えず、あるがままに書き始めてそのまま書きっぱなしの人もいるでしょう。でも「つかみ」が弱ければ、そもそも記事を最後まで読んでもらうことができません。ブログのアクセス数にはカウントできても、強い印象を残すことはできません。
文章の最後で、読後感が決まる
頭と同様に、すごく大事なのが、文章の最後です。
読後感を大きく左右する文章の「締め」の大切さは、体操やスキーのジャンプ競技の最後の「着地」に等しいものがあります。
そこまでの内容が、いいものであればあるほど、最後ばビシッ!と決めたい。最後がグダグダ……となると、そこまでの内容がよくても、「なんかグダグダした話だったな」という読後感を、結果として残すことになります。
逆に、内容がわりと普通でも、最後の着地をカッコよく決めると、「なんかイイものを読んだ!」「なるほどね、納得!」という、いい印象を残すことになります。そうなれば、初めての読者も、「この文章書いているのは誰?」「何をしている人なの?」「このブログ、覚えておこう」と、改めて書き手を意識するというものです。
締めと頭を「最後に」書けば簡単
つかみがよくて、ビシッとキマッた締めを書くための、比較的簡単な方法があります。それは、締めと頭を「最後に書く」ことです。
まず、いつもの感じで気取らずてらわず、書きたい記事を書きます。
終わったら自分の記事を読み返して、「この作者が一番いいたかったことは何か? 3行でまとめよ」という課題を、「大意要約」の試験問題を解くようにやってみます。できれば、本文とは少し違った言い方でまとめると、意味が追加され、深みが出ます。それを、文章の締めに持ってきます。
その段階でもう一度、全体を読み返します。
この段階ではもう、あなたが書きたかったことは、頭の中でも画面の上でも、しっかりかたちになっていて、自分でもよくわかっていますね。一番最初に白紙を前に、「どう書き出そうか」と迷っていたときよりは、はるかに考えやすい環境がととのっています。
一周回って頭に戻ってきました。もうこれからの流れは全部頭に入っています。準備はOK。「これから私はこの文章で何を語るつもりか」を、ステージに出てきて最初に観客と向かいあった役者のように、少しよそゆきの顔をして、わかりやすく印象的に、文章の頭をキメましょう。
余裕があれば、少しひねって、意外性を計算してみたり、笑いをとって余裕を見せる、なんていうふうに演出するのもいいでしょう。
ブログ記事で、書く順番のルールを変えてみてください。
「本文」→「締め」→「頭」。
これで自分の頭の中も、書く文章も整いますよ。
仕事でブログを書く人を対象に、個人カスタマイズのお悩み相談を受けた「文章術レッスン」でお話しした文章を書くコツやアドバイスを、少しずつ書いています。7月から、文章関連の新たなメニューを予定しています。詳細は今後このブログでお知らせしますね。
【こちらもあわせてご覧ください】
・文章を書くためのヒント002:ミニマム。
・文章を書くためのヒント003:広げる。
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